サラーム(アラビア語でこんにちは。)イスラエルは主にヘブライ語ですが、ベツレヘムはパレスチナ人が住んでいる所なので、ここはアラビア語で。
今回ベツレヘムに来たもうひとつの理由。それは、The Walled Off Hotelウォールドオフホテルに泊まる為です!ここに泊まる為に来たと言っても過言ではありません。
ここは、覆面アーティストのバンクシーが去年オープンさせたホテルで、超ユニークなんです!世界一眺めの悪いホテルと銘打っているのですが、その訳は、、、
ホテルの目の前が、悪名高きあの分離壁だからです。
面白かったのがこれ。ロビーから部屋に続く階段へはここから入ります。
私が泊ったのは6人部屋のドミトリールーム。イスラエル軍宿舎からの古いアイテムが所々にあります。ちなみに、プライベートルームは室内にバンクシーの絵があります。泊まりたかったけど予算が。。詳細はホテルのサイトで見られます。サイトを見てるだけでもワクワクしてきます。
ラジオからは音楽が流れていました。実はこの日、ドミトリーには私以外に誰もおらず、独り占めイェーイ!となったのですが、正直寂しかったです。そして静かな部屋にラジオから流れるBGMが。ちょっと怖い。。なので、部屋にいる時は逆にボリュームを上げて、眠る時はオフにして眠りました。
館内はバンクシー独特のアートで一杯です。
ある時間になると、このピアノ自動演奏されるのですが、この音楽がまたいいんです。奥深いというか。ホテルオリジナルだそうです。
ホテルには、小さな博物館が併設されています。パレスチナの、現在に至る歴史や状況が分かります。宿泊者は入場無料ですが、宿泊者以外でも有料で入れるので、ベツレヘムに行く方にはぜひ行ってみて欲しいです。
ここからは博物館内で撮った写真です。
パレスチナ人が壁の外に出る際は、事前申請が必要です。許可が下りず病院に行けない、ということも起こっているそうです。
なかでもハッとさせられたのが、この写真に書かれていたことです。
これはパレスチナ自治区のヘブロンという街の写真ですが、ここにもユダヤ人の入植を促すため、新しいアパートの建設が進められており、外国に住んでいるユダヤ人でもサマーハウスとして借りられる様になっており、若いユダヤ人でも借りやすい様に安い価格設定にしているそうです。上の写真の最後の行には、”あなたが今泊まっているエアビーエンドビー(民泊)はまさにその家の一つかも知れません”と書かれています。ハッとさせられました。私も旅行者。知らずにそういう物件に泊まって、この施策に加担することはしたくありません。
他にも、色々な展示、写真やビデオ等沢山ありました。ビデオの中で、パレスチナの人々が壁を超えて自分たちの家があった向こう側に入ろうとするのを、ライフルを抱えたイスラエル軍兵士が制止し、時には暴力的になるシーンがありました。その時、どうしても沖縄の辺野古のことを思い、苦しくなり涙が出そうになりました。自分達の家(土地)に入れない理不尽さ。イスラエルはベツレヘムを実行支配していて、自分達の土地だと主張しています。自分の土地なら、パレスチナ人が住む土地も同じように扱ってよ、と単純かも知れませんが、思います。でも実際のところは、水道電気など十分に供給せず、携帯電波も悪く、道路状況も悪い。そして、パレスチナの人々から見える所に新居住地を作り、次々とユダヤ人を住まわせることで既成事実を作り、実行支配を広げようとしています。
辺野古とはもちろん背景や状況は違うと思いますが、政府が住民を振り回している状況は同じだと思いました。
そーこーでー!というわけではありませんが、私も壁に絵を描いてきました!
ホテルのすぐ隣にあるバンクシーショップ。その名もウォールマート(笑)。そこで絵を描くお手伝いをしてくれます。
んー、絵といっても、何にしよう。。バンクシーみたいに風刺が効いたものにしたい!と思いましたが、すぐに、そもそも自分には絵のセンスが備わっていないことを思い出し断念。ここはシンプルに、平和を願うといえば鶴。でも紙の折り鶴を壁に貼るわけにはいかないので、やっぱりステンシルにしました。バンクシーみたいに!笑。
①まず、パソコンで鶴の画像を検索。お店のお兄さんがステンシルにできそうな絵を選んでくれました。
②プロジェクターで映し出した画像を鉛筆でなぞり、下書きします。
③下書きに沿って切り取っていきます。お兄さんも手伝ってくれます。
下絵完成。
④スプレーとテープを持って店を出て、壁の場所探し。しばらく歩きますが、どこも結構埋まっていて、空いてる所がありません。しかも上の方には手が届かない。(ちなみに、上の方に描きたい方には梯子も借してくれます。)
⑤場所を見つけたら、下絵をテープで張り付け、スプレーでシュー。紙が浮いてくるので、均等にスプレーするのが結構難しい。
⑥完成〜!! ”Love from OKinawa” ちょっと滲んでるけど、まいっか。
全体像です。ん、どこ。。。? えー、右下の方です。
ちっちゃ!笑。でもいいんです!
願いはひとつ。この壁が壊されて平穏が訪れますように。ベツレヘムに行くことがあれば、ぜひ探してみてください。笑。
エルサレムまでの帰りは、チェックポイント300(Check point three hundred)と呼ばれる、倉庫の様な無機質な建物を通ります。私以外にもう一人いただけで、職員も二人しか見ませんでした。そこでパスポートのチェックがあるのですが、簡単に見ただけで特に何も質問はされませんでした。建物を抜けるとすぐにバス停があり、そこでエルサレム行きのバスに乗りました。